雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

カモナマイハウス

カモナマイハウス (単行本) 作者:重松 清 中央公論新社 Amazon 重松清著。空き家をテーマとした家族物語で、テーマにも興味が持てるし、流れるように話が展開して読みやすい。 時折ぐっとくる台詞なんかもあって、そこはさすが重松清だと思ったのだが・・・…

グラスホッパー、マリアビートル、AX、777

グラスホッパー (角川文庫) 作者:伊坂 幸太郎 KADOKAWA Amazon マリアビートル (角川文庫) 作者:伊坂 幸太郎 KADOKAWA Amazon AX アックス (角川文庫) 作者:伊坂 幸太郎 KADOKAWA Amazon 777 トリプルセブン (角川書店単行本) 作者:伊坂 幸太郎 KADOKAW…

週末の縄文人

週末の縄文人 作者:週末縄文人 縄・文 産業編集センター Amazon 週末縄文人著。ものすごく面白い。自ら縄文時代に戻って土器から竪穴式住居まで作ってみよう、という発想が素晴らしい。そして数々の失敗を乗り越えるふたりの友情は更に素晴らしい。読書を通…

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集

毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集 作者:枡野浩一 左右社 Amazon 枡野浩一著。たった31音の句なのに、どうしてここまで心を揺さぶられるのだろう。それはきっと、何かしら読み手の枡野さんと私との間で共有できる悲し…

成瀬は天下を取りにいく

成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ 作者:宮島未奈 新潮社 Amazon 宮島未奈著。あっさりと読みやすく、何より主人公成瀬あかりが魅力的。著者は本作がデビュー作のようだが、続編も作成されているようなので続きが楽しみ。

読書について

読書について (光文社古典新訳文庫) 作者:ショーペンハウアー 光文社 Amazon ショーペンハウアー著。多読をするな、良書を繰り返し読め、原典を読め、古典を読め、新刊を読むな、最近の本は詐欺まがいの駄文売文ばかりだ・・・、と手厳しい。しかしながら、…

認知症世界の歩き方

認知症世界の歩き方 作者:筧裕介 ライツ社 Amazon 認知症世界の歩き方 実践編――対話とデザインがあなたの生活を変える (issue+design) 作者:筧裕介,issue+design 英治出版 Amazon 筧裕介著。偶然見たNHKの番組で興味を持ち、試しに読んでみたところ、これま…

地球の食卓

地球の食卓―世界24か国の家族のごはん 作者:ピーター メンツェル,フェイス ダルージオ TOTO出版 Amazon ピーター・メンツェル、フェイス・ダルージオ共著。これで、「地球家族」シリーズは三冊とも読み終えた。改めて、「一週間分の食事を見せてください」と…

うずまき

うずまき (ビッグコミックススペシャル) 作者:伊藤 潤二 小学館 Amazon 伊藤 潤二著。ひとつひとつのエピソードが怖いだけでなく、全体として壮大な物語になっているところがすごい。一番怖いのはヒトマイマイだろうか。蝶族(バタフライ族)が飛ぶシーンは…

プロジェクト・ヘイル・メアリー

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon アンディ・ウィアー著、小野田和子翻訳。すごい小説だ。SFであり、推理小説(自分の記憶を取り戻し…

ユーモアは最強の武器である: スタンフォード大学ビジネススクール人気講義

ユーモアは最強の武器である―スタンフォード大学ビジネススクール人気講義 作者:ジェニファー・アーカー,ナオミ・バグドナス 東洋経済新報社 Amazon ジェニファー・アーカー, ナオミ・バグドナス著。結論として、翻訳版で読むには不適な本だったかもしれない…

陽気なギャングは三つ数えろ

陽気なギャングは三つ数えろ (祥伝社文庫) 作者:伊坂幸太郎 祥伝社 Amazon 伊坂幸太郎著。「陽気なギャング」シリーズ第3作。今回も、しゃべくり響野が美味しいところを持っていく展開で素晴らしい。ただ残念ながら、成瀬達4人の物語もおそらくこれで打ち…

爆弾

爆弾 作者:呉勝浩 講談社 Amazon 呉勝浩著。読み応えのある本で、読後すぐ再読しだしたくらいにのめりこんた。本書は登場人物の輪郭が鮮明で、特に犯人であるスズキダゴサクの人格がはっきり描かれているのがとても良い。物語の良し悪しは悪役が決める。現在…

はだしのゲン

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻 作者:中沢 啓治 汐文社 Amazon 中沢 啓治著。漫画の名作を子どもと一緒に全巻通して読もうシリーズ*1。長男も小学5年生になり、そろそろ「はだしのゲン」を読んでも良い頃合いだろう。歴史を観る視点に偏りがあろうがな…

陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 祥伝社 Amazon 伊坂幸太郎著。「陽気なギャング」シリーズ第2作。一作目が面白かったので、安心して読み始めることができた。なるほどそうまとめるのね、お見事。という感想。文庫版特別短編も面…

陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) 作者:伊坂幸太郎 祥伝社 Amazon 伊坂幸太郎著。展開良く、読みやすく、大変面白かった。伏線の回収もお見事。何より、著者は「会話」の描写がとてもうまい。4人の会話をずっと読んでいたかった。本作は続編がある…

波よ聞いてくれ(9)~(10)

波よ聞いてくれ(9) (アフタヌーンコミックス) 作者:沙村広明 講談社 Amazon 波よ聞いてくれ(10) (アフタヌーンコミックス) 作者:沙村広明 講談社 Amazon

ザ・ファブル(1)~(22)

ザ・ファブル(1) (ヤングマガジンコミックス) 作者:南勝久 講談社 Amazon ザ・ファブル(22) (ヤングマガジンコミックス) 作者:南勝久 講談社 Amazon 南勝久著。知っていはいたが読んでいなかった作品のひとつ。先日、第2部の完結記念として第1部が…

増えるものたちの進化生物学

この記事を読んで、「読んでみよう」と思ってから一カ月以上経ってようやく読了(遅い)。自分では進んで手に取らないような本でも、熱量のあるレビューがきっかけとなって出会いが生まれるのだから、書評はありがたい。 blog.tinect.jp 市橋 伯一著。論理は…

句集 一人十色

句集 一人十色 (ヨシモトブックス) 作者:梅沢 富美男 ワニブックス Amazon 梅沢 富美男著作、夏井 いつき監修。毎週「プレバト」を観ているだけでは意識しないが、やはりこれだけの句集を作り上げるのは大変なこと。梅沢氏が俳句と真面目に向き合っていたこ…

職業としての官僚

職業としての官僚 (岩波新書) 作者:嶋田 博子 岩波書店 Amazon 嶋田博子著。官僚の制度や個々人のあり方、そして求められる役割は時代と共に変わる。特に第1章の昭和後期(1986年)と現在(2022年)でどう変わったのか、様々な観点からの比較考察は大変興味…

名探偵のままでいて

名探偵のままでいて 作者:小西マサテル 宝島社 Amazon 小西マサテル著。ミステリ好きの著者がミステリ好きの読者に向けて、ミステリ好きな登場人物を描くミステリ小説。最終章まですっと読めて面白かったのだが、時折、会話が不自然だったり、台詞で説明しす…

ハイパーハードボイルドグルメリポート

ハイパーハードボイルドグルメリポート 作者:上出 遼平 朝日新聞出版 Amazon 上出 遼平著。世界各地を訪ね、そこで暮らす人たちの「ごはん」を見せてもらうというドキュメンタリー番組を題材とした取材記。しかし本書に描かれているのは、現地の人々の暮らし…

地球のごはん

地球のごはん 世界30か国80人の“いただきます!” 作者:ピーター・メンツェル,フェイス・ダルージオ TOTO出版 Amazon ピーター・メンツェル、フェイス・ダルージオ著。各国の色んな人の「今日の食事」を通して「世界の今」を映す本。貧しさ、豊かさ、そして過…

サイコーサウナ

サイコーサウナ (文春e-book) 作者:五箇 公貴 文藝春秋 Amazon 五箇 公貴著。サウナ経営者を中心に、様々なサウナを紹介する。佐賀県の「御船山楽園ホテルらかんの湯」、長野県の「The Sauna」、奈良県の「ume,yamazoe」、熊本県の「湯らっくす」、そして東…

アヘン王国潜入記

【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 高野秀行著。約5年振りの再読。著者の「語学の天才まで1億光年」を読んで、また読みたくなったもの。やっぱり面白かったし、著者にしか書けないオリジナルな本だと思う。ここに至…

ざんねんなスパイ

ざんねんなスパイ(新潮文庫) 作者:一條次郎 新潮社 Amazon 一條 次郎著。以前読んだ短編集「小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇」に掲載されていた著者の「ヘルメット・オブ・アイアン」が大変面白かったので読んでみた。次々にカオスな展開へと進むのが著…

変な家

変な家 作者:雨穴 飛鳥新社 Amazon 雨月著。間取り図に隠された秘密を解き明かすミステリー。読みやすく、展開もさくさく進むので、あっという間に読み終えられる。評判が良いので読んでみたところ、まあ気楽に読める良さはある。深さは感じられれないが。

語学の天才まで1億光年

語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル) 作者:高野秀行 集英社 Amazon 高野秀行著。これまで読んだ氏の著書から、著者のことを明確な目的を掲げてそれに向かってどんな壁でも乗り越える超人かと思っていたのだが、氏も私と同じく悩み、迷い、回…

日本3百名山ひと筆書き

日本3百名山ひと筆書き 田中陽希日記 作者:田中 陽希 平凡社 Amazon 田中陽希著。最後の山を登りきるまで、一切の移動手段を利用せず、自分の足だけで踏破するという途方もない距離と期間の冒険談。免許の更新やコロナによる自粛期間など、紆余曲折を挟みな…