枡野浩一著。スゴ本の方のブログで紹介されていて手に取った本(感謝!)。たった31音の句なのに、どうしてここまで心を揺さぶられるのだろう。それはきっと、何かしら読み手の枡野さんと私との間で共有できる悲しみや喜びがあるからで、それぞれ個々の人生を送りながらも共通点があることの奇跡。355首の収録作から、特に印象に残ったのは次の10首。
- 振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ 相手はパーだ
- 野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない
- 絶倫のバイセクシャルに変身し全人類と愛し合いたい
- 泣くな泣くな泣くな桝野 それなりに転がる夜もあったじゃないか
- 気をつけていってらっしゃい 行きよりも明るい帰路になりますように
- 飛べ!愛と勇気だけしか友達がいないアンパンマンの孤独よ
- この街を出ていく人の行く手にも 静かに雨が降るとの予報
- そうじゃない 二度と会わない人にこそ「じゃあまたね」って軽く言うんだ
- あやまちを重ねて命あることの奇跡のきょうを生きますように
- 消えるから炎 やまない雨はなく いつか必ず死ぬから命