雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

認知症世界の歩き方

 

 

 

筧裕介著。偶然見たNHKの番組で興味を持ち、試しに読んでみたところ、これまでぼんやりとした捉えていなかった認知症がより理解できるようになった気がする。名前を「ボケ」から「認知症」に変えたところで、具体的な症状がイメージできないと理解は進まないだろう。単に記憶に障害がでるだけではなく、空間認識や触感、におい等、「認知機能」の衰えにより様々な困難に直面すること、そしてそれらは、やり方によって一定は乗り越えることが可能なことなど、本書は分かりやすく明示してくれる。このように理解が進展することを「解像度が上がる」というのだろうか。まさにタイトル通り、「認知症世界の歩き方」。

 

誰もがいつかはかかる認知症、だからこそ「正しく恐れる」ことが必要で、昔のように「ボケ老人は室内に閉じ込めるしかない」という対処方法に戻りたくはないもの。もっとも、知識として理解したところで、実際に対処するのは大変なのだろうが。