今日、NHKで放送されたクローズアップ現代+では、先日富士山で滑落死した男性が取り上げられていた。彼の冬山登山を「無謀」という台詞だけで片付けるのではなく、そこに至るまでの長い過程を丁寧に取材されており、見る価値のあるドキュメント番組だった。
番組は、まるで彼を供養するかのように(少なくとも、私はそれを見て「晒し上げ」とは捉えなかった)、取材を通してその人物像を浮かび上がらせていた。一人の人間がその人生を生き、迷い、挑戦し、挫折し、病にかかり、死んでいく様子をまざまざと見せられ、とても切なくなってしまった。
当たり前のことだけれども、その人にはその人なりの人生があるわけで、楽しかったり、辛かったりして人生を終える。成功する人もいれば、何をしてもうまくいかない人もいるだろう。
もう一点。人間は孤独に耐えられない存在で、どうしても他者を求めてしまう。誰かの役に立ちたい、誰かを笑顔にしたい、自分を見てほしい、認めてほしい。これは、強者か弱者かの話ではなく、良いとか悪いとかの問題でもなく、単にそれが人間だということ。