- 作者: 渡辺靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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コミュニティへの志向に関する9つの物語は、ソーシャル・キャピタルの意味を考えさせるに十分なものだった。社会にとってそれ自体が目的でもあり、同時に活用すべき財産ともいえるソーシャル・キャピタル。日本のように世間の力学で動くシステムの中でそれが衰えていく様は、どれほど深刻な意味を持つのだろうか。
それはさておき、この本は非常に読みやすかった。その理由としては、取り上げられていた事例自体が面白いということもあるのだろうが、著者の渡辺氏の文章の上手さにも拠るところは大きいと思う。簡潔にして無駄が無く、文脈からは深い思慮が感じられるが表面上は淡々としている。素晴らしい。