
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: アービンジャー・インスティチュート,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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たったひとつの大切なことを、詳細に、具体的に、多面的に、執拗に書いている。大切なこととは、「人を人として接する」ということ。
- それはどういうことか→人をモノとして扱わないということ。
- なぜそれが大切か→モノとして見られる人は、その事実に気付くことが出来る。そして、コミュニケーションは断絶する。
- それが出来ない原因は何か→他人に対して、すべきだと思った自分の感情に背き、自分を裏切ることで「箱の中に入ってしまう」、つまり自己正当化の罠に陥るから。
- 自己正当化の何が悪いのか→他者を根拠無く悪く貶めてしまい、しかも他者が悪であることを必要としてしまう循環に入るから。
- そうするとどうなるのか→コミュニケーションは断絶し、お互いがお互いを攻撃し、自己正当化(箱)は強化される。この「共謀」の状態が生産的な結果をもたらすことはない。
- どうすれば「箱の中」から抜け出せるのか→箱の外に出て付き合うことの出来る人との関係さえあれば良い。あとは、自分が「箱の中にいるかもしれない」と気付くことが出来るかどうかが分かれ目。
- どうすれば自分の箱に気付くのか→「もしかして自分が間違っているのかもしれない」と自問してみる。
- それはどういうことか→つまり、相手も(自分と同じ)人間であり、だから相手にも独自の感情や理屈や独自の価値観があるという当たり前のことを認めるということ。
自己正当化しようとした結果、長期的にみると周囲の人々も自分をも傷つける事態になっていることは良くある。確かに、他人に傷つけられることもある。頻繁にある。しかし、そこから守ろうとしていた自分とは一体どういうものだったのだろう。
そんな疑問に対するひとつの答がこの本にある。コミュニケーションを阻害する主要な原因は自分にあるということだ。例え他者が本当に悪であったとしても、自分が他者に対して敵対的な態度で接していては、その人を変えることなど出来るはずが無い。
自己正当化は、他者を悪者に仕立て、かつ自分の成長を抑止する。それでも私は自分が大切だから、周りから守ろうとしてガードを固める。従って、自己正当化という名の箱はいつでも私の近くに存在し続けるだろう。けれども、自分も間違っているかもしれないという問いを発したり、相手も人間だという意識を取り戻したり、他者に対する優しい気持ちに気付いたときに、コミュニケーションの基盤が復活するのだろう。