- 作者: アービンジャー・インスティチュート,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アービンジャー・インスティチュート著。初読ではないが、筋書きを追ってしっかり考えながら読まないと、十分な理解は得られない本だと感じた。
他者とのコミュニケーションを阻害する理由は、往々にして自分にある。もちろん、他者自身に問題がある場合がある可能性は否めない。しかし、そのように「自分には問題がないはず、悪いのは相手だ」と思い込んでしまうことこそ、コミュニケーションを阻害する原因となるのだ。
自己を裏切った(自己欺瞞)私は、無意識に私を正当化しようと努める。「優越」の箱(相手を見下す)、「当然」の箱(現状を正当化し、改善すべき点を見ない)、「体裁」の箱(良く思われたい)等*1、自分を守ろうとするあまり、自分の良心に従うことを忘れ、相手を「人」ではなく「モノ」としてとらえ、その姿勢は相手にも伝わってしまい、その結果、コミュニケーション不全を生む。それでも私は自分が大切だから、周りから守ろうとしてガードを固める。
残念ながら、この悪循環(つまり「箱」)から抜け出す方法については、記述が弱いと感じた。まとめるならば、自己正当化しようとしてしまう自分を認め、相手を人としてみようとする意識を持つこと、だろうか。または、相手のあり方を変えようとする前に、自分自身のあり方を改め、相手との関係性を築く努力を行うこと、だろうか。
「相手をモノではなく人として見る」という言葉。これを心から理解すること、また実践し続けることは、本当に大切で、しかし本当に難しいことだ。
*1:個人的に、「劣等感」の箱については、正直なところ趣旨がよく理解できなかった。