最終話、そしてその前話と、いずれも素晴らしかった。前話は、朝廷との戦に向けた政子の演説シーンに感動し、義時と泰時の対面シーンに涙を流し、もしかしたらハッピーエンドもあり得るかと期待させつつ、最終話はこれまでの伏線をすべて回収するかたちで衝撃のラストを迎える。
・なぜか突然文覚が登場。しかも上皇の頭を齧るというフリーダムさ。
・運慶が作った異形の像。義時の心を写し取ったような、その禍々しさ。
・「女子は皆茸が好きだと言ったな。あれは嘘だ」と平六に言われたときの義時の顔。あれはドラマ前半の小四郎の顔だった。「完全に人が変わってしまった」と思われていた義時だが、物語の最後にもう一度小四郎に会わせてくれた。小栗旬さん、すごい。
・義時が過去を振り返りながら、これまでに亡くなった(そのほとんどを殺めてきた)13人の名前を挙げる。この自らの発言が過去の嘘をあぶりだしてしまい、そして最後の報いを受ける。政子が義時を殺した、というと正確ではないが、とどめを刺されたというか、見殺しにされたというか。この終わり方で良かったと思うし、これしかない終わり方だった。
私が見た中では、最高の大河ドラマだった。三谷幸喜脚本大河ドラマ「新選組!」や「真田丸」と比べても圧倒的に面白かった。昨年の「青天を衝け」も素晴らしかったので、二年連続で毎週日曜日の夜が楽しみだったのだが、このロスは大きい。日曜日の夜に楽しみがないと、月曜日に立ち向かえないではないか。で、次の大河ドラマは・・・うーん、見るかなあ・・・。