雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

イエスの生涯

イエスの生涯 (新潮文庫)

イエスの生涯 (新潮文庫)

 遠藤周作著。伝記というか、歴史小説というか、それともエッセイと言うべきか。先日、雑誌「日経おとなのOFF」が聖書入門なる企画をしていたので読んでみたのだが、これと相まって読んでみたところ、とても興味深かった。イエスがその生涯をかけて実践し続けてきた「愛」と、我々庶民との「世俗」は大きく隔たっており、そこへの橋渡しとして、「神の子」であるイエスが誰よりも惨めに死ぬことの意義がある。そうした枠組みでイエスの現実的な理解をもたらし、非信者にあってもその凄さを感じることが出来るようになる。