雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

わが青春に悔いあり―狐狸庵閑話


 遠藤周作著。軽妙で自由で読みやすいエッセイ。学生モノは、大分時代が違うだろうに、何故か私の心にぐっとくる。とはいえ、さすがに夫婦ネタの話は感覚が古すぎて賞味期限切れか。

 
 遠藤周作とか、森毅とか、または北杜夫といった、軽妙でしかし軽薄ではない、肩の力が抜けているエッセイの書けるお年寄は、現代にはもはやいないのだろうか。人間、年を取るにつれて頑なになり、自意識過剰になり、説教臭くなってしまうもので、脱力した文章が書けるということは、結構難しいことなのだろう。