- 作者: 山田芳裕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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本作品は、主人公古田織部が、自らの人生に対して試行錯誤をしながら着実に何かを追い求め、または自分を見出す過程における苦悩のあり方を描いた、現代に通じる青春物語なのだと言える。
自らの人生において、何かを残したい、または刻みつけたいと願う主人公の気持ちが、私には痛いほどに良く分かる。他者と比べての自らの至らなさを痛感すること、そして自分自身の指針の定まらなさに苦しむ古田織部正の姿は、現代人と何も変わらない。
それにしても、縄文土器にヒントを得た茶室(?)のくだりは秀逸。そして、千利休が感情を剥きだしにする場面の描写には戦慄を覚えた。