- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2007/12/21
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ついに見終ってしまった。ものすごい充実感。自らの心の中に、西郷隆盛と大久保利通という維新の傑物が居座っているかのような気分だ
今年は「篤姫」、「翔ぶが如く」と大河ドラマを2本も観てしまった。去年は「龍馬伝」を観ていたし。思うに、私は幕末から明治までの日本史が好きなのだろう。昔はどちらかというと戦国時代の方が好きだったのだが、興味の対象が個人(織田信長等の英雄)から群像劇、そして国家や世界に変わってきたのかもしれない。近代日本をつくりあげるまでに、いかに多くの犠牲が払われてきたか、どれほど熱い思いを持った志士が命を賭けてきたのか、敬意を払わざるを得ない。
現代の視点から見る限り、不世出の英雄は大久保利通であるが、英雄に不可欠な人望や吸引力は西郷隆盛には敵わなかったのだろう。個性の異なる2人が力を合わせたからこそ、維新が成り、日本という国家が作られた。大久保は新しい日本人として世界を見据えた政治家になる度量を持っていたが、西郷はあくまで武士であり、薩摩隼人であることにこだわっていたのだろう。明治の世が始まり、これからの日本の将来を考える大久保と、自らの役割は終わったと考えて常に死に場所を探し求める西郷とは、どうしても決裂してしまう(明六政変や、西南戦争の話とは別にして)。西郷の死は必然という意味では、2人の別れこそが、まさに時代の変わり目だったのだろう。それまでに築いてきた友情の厚さや信頼関係を考えると、例え宿命であっても、哀しすぎる別れであった。