アンデシュ・ハンセン著。絶え間ない情報の刺激によってスマートフォンから離れられず、膨大な時間を注ぎ込んでしまうことで、思考力(集中力)が低下し、運動量が落ちて、不安をもたらす。人類の歴史から考える「人間のあり方」に合致するデジタル生活を模索すること、デジタルデトックスの重要性を訴える書。
スマホが近くにあることによって、仮にメールやアプリの通知を見ないとしても、「見ない」ことに意識を使うことによって集中力は阻害される。読書の重要性、手書きのメモをすることの意義、外出して身体を動かして人とリアルに会うことの大切さを再認識する。
そうは言っても、時代を戻すことはできないし、著者もスマートフォンの利便性を否定しているわけでもない。本書の指摘する危険性を認識したうえで、スマートフォンと適切な距離をとることを意識づける、というあたりになるか。