私がThe Beatlesの曲を初めて聴いたのは中学生の頃。きっかけは忘れてしまったが、地元の図書館でCDを一枚ずつ借りては順番に聴いていた。もちろんその頃にはバンドは解散してしまっていて、「過去の古い曲」ばかりだったはずだが、中学生の私にはどの曲も新鮮に感じられて、そのかっこよさにしびれていた。幸せな時間だったと思う。
その経験を踏まえると、The Beatlesについては「全てのアルバムを全部順番に聴く」が正解であって、「赤盤」や「青盤」など邪道というか、そんなベスト盤を聴いても全く不十分だろうと考えていた。ただ、いざ自分の子どもに聴かせてみようとなったとき、いきなり全部聴けというのも無理があると思い直した。
そこで自分なりの「赤盤」「青盤」を作ってみようと考えて選曲作業に入った途端、自分が(自分で作った)沼に足を踏み入れていることに気が付いた。自分が納得のいくベスト盤を作ろうとしたら、まずは全曲を聴くところから始めないといけない。ところが元々ビートルズが好きなのだからどの曲も好きで、ふるい落とす曲がなかなか見当たらない。こうして膨大な時間を溶かしてしまうことになるのだが、それが楽しいのだからまた困る。
こうして楽しくも苦しい作業を経て、80分CD1枚*1に閉じ込めた私の「赤盤」。収録アルバムは「Please Please Me」、「With The Beatles」、「A Hard Day's Night」、「Beatles For Sale」、「Help!」、「Rubber Soul」、「Past Masters Vol.1」から*2。なお、曲順は自分の好みで並び替えており、必ずしも発売順ではない。
- I Saw Her Standing There
- Please Please Me
- Baby It's You
- I Want To Hold Your Hand
- Twist And Shout
- This Boy
- All My Loving
- Please Mister Postman
- Money (That's What I Want)
- A Hard Day's Night
- If I Fell
- Tell Me Why
- Can't Buy Me Love
- No Reply
- Baby's In Black
- Mr. Moonlight
- Kansas City _ Hey-Hey-Hey-Hey!
- Eight Days A Week
- I Feel Fine
- Ticket To Ride
- You're Going To Lose That Girl
- Yesterday
- Day Tripper
- Rain
- We Can Work It Out
- Drive My Car
- Norwegian Wood
- You Won't See Me
- In My Life
- Wait
以上30曲。自分の好きな曲ばかりを集めた「私の赤盤」である。初期のThe Beatlesは、軽快なロックンロール、多様なカバー曲、そしてジョンとポールのハーモニーが好みだ。中期(タンバリン期)になると、曲調が変化に富み、そして音の厚みが増していく。個人的にはアルバム「Rubber Soul」が彼らの頂点だと思う。