雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

東日本大震災から10年

3.11から10年が経過した。今日は当時の悲惨な状況を思い出し、この10年間を振り返り、被災地のこれからに思いを馳せる1日だ。あの日の地震津波の映像を見て、そして数日後の原発事故の報道に接して、もう「日本はおしまいだ」と感じたことを今でも覚えている。午後2時46分、黙とうしながら色々なことを考える。

 

コロナ禍と一緒で、実際には世界はそう簡単には終わらない。世の中には、どれだけ打ちのめされても立ち直って人生をやり直す人がいる。そうした人達の強さには心から敬意を抱きつつも、しかし、震災で亡くなった人にとっては確かにそのとき「世界が終わった」わけだし、家族や住まいや仕事やふるさとを失った人で、そのまま希望を持てずにつらい10年間を過ごさざるをえなかった方もたくさんいたことだろう。

 

日頃は、今日の日常はきっと明日も続くだろうと、何の疑問も持たずにいる。まるで、自分が歩いている広い道がアスファルトで舗装されてまっすぐ続いているかのように、足元なんか気にせずに歩いている。しかし本当は、その道は細いロープに過ぎないのかもしれない。古びて、ボロボロで、切れ目が入っているロープの上を、奇跡的なバランスで歩いているだけなのかもしれない。

 

「当たり前の日常」は、実はそれほど当たり前ではない。そして私が無為に過ごしている1日は、震災で犠牲になった人にとって「どうしても生きたかった1日」なのかもしれない*1。これからどう生きて、どう死ぬべきなのか、つらつらと考える。そんな1日だった。

*1:中島らも『今夜、すべてのバーで』を思い出しながら。