雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

クレーマーとAIオペレーター

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この記事についていた次のブクマを見て、ものすごく共感した。

newold0123 その内AIによる音声対応になり、そうとは知らず延々とクレームをいれる未来が見えた。

 

 

長時間話を聞くことは、労働者に精神的な疲労をもたらし、また相当な時間を要するが、それをしたからと言って評価につながる可能性は低い(生産性が低い仕事だと捉えられている)。ましてやそれが長期間継続する執拗なクレームだったり、「話し相手」になるだけだったりする場合、電話の受け手の疲弊はとても大きい。

 

「そんな電話の相手はしなくてよい、応じる必要はないから切れ」と会社が組織判断をしてくれる場合は良いが、社員の対応に任せる場合の方が多いのではないだろうか。しかし、社員の立場からは、度々電話をかけてくる人を迷惑に感じたとしても、その人が「お客様」である以上、かかってくる電話には対応せざるを得ないのが現実だ。

 

記事によると、この容疑者は1週間で400回以上電話をかけてきたとある。1週間に400回電話をかけてくる同一人物に応じることで利益を生むことはないだろうし、受け手側では「またこの人か」「またその話か」と同じ対応を何度も繰り返したことだろう。実際、業務妨害の疑いで逮捕されているのだから、こうした電話対応は本来業務を阻害すると一般に判断されているわけだ(2年間で2万回電話しないと逮捕されないという状況は改善されるべきだと思うが。)。

 

そこで思うのだが、WEB上の問い合わせに対してAIチャットボットが回答してくれるように、AI電話オペレーターに対応を任せられないだろうか。全ての場面で対応できるわけではないだろうが、例えば最初の応対はAIオペレーターが行い、人間の対応が必要な場面になったら代わるとか(部下では対応が難しい案件を上司に代わるイメージ)、繰り返し執拗にかかってくる相手には「特定のAIオペレーター」を担当に充てて代わるとか、色々考えられるだろう。「ただ話を聞いてほしい」という電話応対も結構多いので。

 

ここで大切なのは、AIオペレーターに「人格」が備わっていることだ。性別と名前と年齢の設定くらいあった方がいいのだが、まだ技術的に難しいのだろうか。AI美空ひばりが可能なら大丈夫では、とも思うのだが(ここらへん、かなり適当)。誰も、機械に向かって長々としゃべりたくはない。電話をする人は、どのような目的であっても「人」に向かって話したいし、自分の話を「人」に聞いてほしいのだ(が、先ほども書いたとおり、人の話を長時間聞くのは、大変疲れる(なのに報われない)仕事なのだ)。

 

もちろん、相手の親身になって話を聞ける、プロフェッショナルの技術を持つ人は必要だし、今後もニーズはあるだろう。しかし、そうしたプロに話を聞いてもらいたい場合、本来は対価を払うべきなのではないか(つまり、カウンセラー)。電話受付のオペレーターに対して、執拗に主張を繰り返す(そして相手の話は聞く気を持たない)、または長時間「自分の話」を聞いてもらいたいだけの人たちを、どこまで顧客扱いすべきなのだろう。技術の進化によりAIオペレーターが対応する世界は、案外winwinなのかもしれない、と思った。