- 作者: 幸村誠
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- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
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完結。4巻で終わらせたところが素晴らしい。時折出てくる笑いの場面が好きだ。
広大な宇宙を舞台にしつつ、ひたすらに「人間」を描いてきた作品である。人間社会も宇宙も、ひとりの人間を基準にしたら大きすぎて手に負えない。それでも、一人ひとりが集まって社会が出来ているし、あらゆる要素の集合体が宇宙であるわけだから、全てはひとつなのであるし、細分化や区分ということ自体は単なる「約束事」に過ぎない。私という個体が、それ独自で成立する存在ではない以上、様々な「関わり」からは逃れられない。例え人と人とが分かり合えないとしても、また、人間関係は美しいものだけではなくて憎悪にも大いに彩られているとしても、それでも人は人を求めるし、否応なしに繋がってしまうものである。
私は社会に疎外感を抱くことが良くあるし、すぐに自分ひとりの殻に閉じこもって束の間の安息を守ろうとしてしまう。そんなことは些細なことで、大した意味は無いし、どうでもよいことだ、と認識しようと努めているけれども気が付けば囚われてしまっている。何故かと言えば、この世界を内と外にくっきり分けて、その内に引き籠るのは、実に安心することだからだと思う。
上手に生きていくことは難しい。とかくこの世は生き辛い、と。でもそれは社会や他人のせいばかりではなく、問題の根っこにあるのは自分自身だったりもする。私は、自分と他人とを比べて優越感の錯覚に陥ったり劣等感に苦しむことも度々で、もう少し「身軽に」、つまり財物だけでなく自分自身からも逃れて軽やかに生きてみたいと思う。落ち込んだ時こそ空を見上げてみる。秋の夜空は澄んでいて、星がキラキラしていてとても綺麗だ。宇宙はどこまでも広い。
なんにしろめでたい
ハチ公、これでお前も晴れて
手前勝手にくたばれない身の上ってぇワケだ
この宇宙に
オレに関係ない人間なんか
一人もいねーんだ