雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

日本テレビ 「うつへの復讐〜絶望からの復活〜」


 鬱病にかかった高島忠夫氏と、その家族の物語を取り上げたドラマ。鬱の怖さと難しさを丁寧に説明していたと思う。家族の対応のまずさに「おいおい」と思ったりもしたが、しかし家族の話を外野が偉そうに批評するものでもないだろう。病人本人もその家族も、専門家ではないのだ。病気への対応に失敗することもあるが、夫婦は夫婦、親子は親子、家族は家族であり続けるのであって、もうだめだ、限界だと感じつつも、自分に出来ることを真摯に行い続けること。それが何よりも大切なことなんだと思う。


 鬱というものは「全て」を失わせる暴力なのかもしれない。それでは、私が準備できることは何も無いのだろうか。例えそれが純粋に物理的(肉体的)な現象であるとしても、思考(精神)の面で対処できることは無いのだろうか。そんなことはない、と思いたい。例えば鬱病に対する知識を仕入れること、常に自分の内面に気を配ること、そして悩みや弱さに格闘した先人の知恵に触れること。そうしたことは、いつか来る圧倒的かつ絶望的な「暗闇」に対して、きっとささやかな、しかし最後の一線を越えないための支えになるのではないか、と思うのだ*1

*1:もっとも、ドラマでの主題は「家族が支えあって」ということであった。確かに、独りで巨大な波を乗り越えようと無闇に走るよりも、弱い自分を支えてくれる人を大切にすることの方が余程大切なのかもしれない。