そんなマーケティングなら、やめてしまえ!―マーケターが忘れたいちばん大切なこと
- 作者: セルジオジーマン,Sergio Zyman,中野雅司
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2000/02
- メディア: 単行本
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マーケティングとはどういうものか、予備知識が全く無い状態でも楽しめる本だ。利益を目指せ、戦略を持て、プロフェッショナルになれ、挑戦しろ。筆者の主張は、ビジネスに携わる人全てに向けられたものである。
- 作者: ティム・ハーフォード,遠藤真美
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2006/09/14
- メディア: 単行本
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「ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する」が非常に評判良いらしく今度読んでみようとは思っているのだが、こちらも中身は良質なものだと思う。スターバックスのコーヒーの価格設定(希少性の力)やスーパーマーケットの商品の値段設定(価格ターゲティング)といった日常生活と直接関わる話から、市場の失敗や国際貿易への正しい視点の提供といった基礎的な話まで、非常に分かりやすく展開されている。
筆者は基本的に、市場や競争を評価する立場から主張を展開しているので、「市場原理主義」という言葉を用いる人やフェアトレードの素晴らしさを主張する人には了解しがたい内容かもしれないが、普通に読んでいけば確かに「まっとうな経済学」だと納得すると思う。
思うに、市場主義と民主主義は似ている面があって、どちらも根本的には現在のところ最良のものと信奉されているにも関わらず、その性質上どうしても存在してしまう欠陥を必要以上に批判されて、本来の価値を貶められてしまっている。どちらもその出発点は「人間の欲を認めること」だと思うのだが、一方で欲望をシステム的に抑えないと失敗を引き起こすことを経験上知ってしまっているわけで。
社会を理解する基礎教養のひとつとして、読んで良かったと素直に思える本であり、「クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)」と同じくらいお勧めの本です。