ティム・ハーフォード著、 遠藤 真美訳。以前に「まっとうな経済学」を読んだ時も思ったが、著者の記述は分かりやすく、(少し毒のある)ユーモアがあり、知的好奇心を大いに刺激してくれる。面白かった。
本書は、50の発明を取り上げて、その意義と背景と物語、そして社会へ与えたインパクトを説明する。冷凍食品、マーケットリサーチ、発電機、コンテナ、バーコード、レーダー、インデックスファンド、S字トラップなど、どれも大変に興味深かった(どうやったら、こんな面白い項目を選ぶことができるだのだろう?)。
本書が最後に取り上げた電球を読んで、発明は本当に社会を変えてしまうのだな、と腹に落ちた。社会が様々なモノとヒトがつながって構成されている以上、消費者としての私は、仮に直接そのモノを所有していなくとも、間接的にその恩恵を受けている。ありがたいことだ。