雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

夜が明ける

 

 

西加奈子著。人が生きていくことの難しさと、それでも懸命に生きていく姿を描く。皆が成功するわけではないし、皆が強く生きられるわけでもない。むしろ、人生はうまくいかないことばかりだし、どうすれば良いのかも分からないままに人生は過ぎ去っていく。それでも、抗い、声を上げていくこと。人に勝てなくても、自分に負けないこと。そんな絶望の中に潜む希望を描く作品だった。本書結末の先に光はあるのか、と言われると分からないし、本当に夜は明けるのだろうか、と考えてもやはり分からない。