前年度の「青天を衝け」が大変面白かったので、そのままなんとなく見続けていた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」だが、これまではのめり込めなかった。脚本は三谷幸喜だし、役者さんも上手なので面白いことは面白いのだが、いかんせん時代が古すぎる。明治時代と鎌倉時代では、あまりに今(現代)との時間的距離が違い過ぎてはまるところまでいかず、「とりあえず見ておくか」くらいに思って、録画した話を観ていた。
ところが、第12話と第13話には衝撃を受けた。これまでは一発ギャグ的な、ショートコント的な面白さだったのが、話全体の流れで笑わせてきた。話の冒頭に置いてきた伏線をぐいっと回収して観客を笑いの渦に引き込む、三谷脚本の本領発揮とでも言うべきか。役者さんも、微妙な、一瞬の顔の表情だけで何かを物語るような、しっかり見ないとその示唆するところが楽しめないレベルまで演じきっており、凄みがある回だった。
今後もこの水準が続くのか分からないが、俄然観るのが楽しみになってきた。三谷マジック。