雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

働きマン

 安野モヨコ著。久々に読み返してみて、やはり良く出来ているなあと感じたのだが、では一体何が良いのかと考えてみたところ、結局は著者の人間観察力が凄いのだと感じた。「さくらん」のときも感じたのだが、著者はとにかく台詞作りが上手い。


 作中の登場人物の個性が確立しているところや、台詞の端々にその人物ならではの価値観が現れているところなど、著者が「神の視点」で描いているにもかかわらず、登場人物はきちんと「その人」の言葉を語っている。戯曲を創る上で当然のことではあるけれども、作り手が一人の人間である以上やはりこれは難しいことだと思う。そうしたことの土台となるのは、おそらく、客観的視野と人間観察力だろう。