スパニッシュ・アパートメント、ロシアン・ドールズ

スパニッシュ・アパートメント [DVD]

ロシアン・ドールズ-スパニッシュ・アパートメント2- [DVD]

　いずれもセドリック・クラピッシュ監督作品。展開、映像、会話、音楽、そして街の風景とすべてがお洒落な映画だった。主人公は何とも煮え切らない男だが、だからこそ周囲が活かされるという一面もある。

　スパニッシュ・アパートメントは青春群像劇という感じで、日本の若い学生が観たら誰もが憧れるだろう。これぞヨーロッパという感じでもあるし、これぞモラトリアムという感じでもある。ただ、私が年を取り過ぎたのか、若干羨ましい気分になってしまった。

　一方のロシアン・ドールズは相変わらず風采の上がらない（しかし女性関係は派手な）主人公と同じく、周囲の人々も「大人」になっており、現実と折り合いをつけながらそれぞれの人生を送っていた。観ていて映画と自分の実世界が混ざってしまうような、何となく共感できる雰囲気が心地よい。

　いずれにしても、バルセロナ、パリ、ロンドン、サンクトペテルブルグの景色が素敵だった。薦めてくれた妻に感謝しつつ。