雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


 母親への感謝の気持ちを、筆者の感情のままに綴った自分史。文学的に傑作かどうかはさておき、確かに泣けてしまう。母親からの十分な愛情を受けてきて、かつ「良いかダメかで言えばダメ」に分類されてしまう男性であれば、きっと共感できるだろう。それにしてもリリーさん、この本を読む限り、かなりダメな人だ。まあ、そこがこの本の大事な部分なのだけれども。


 自分の住まいがあること、家族がいること、家族以外の人が訪れること、皆でご飯を食べること。「東京タワー」のオカンが教えてくれたのは、そういう素朴な幸せであった。


 一番印象に残った場面は、オカンのごはんを誰よりも食べてきた「ホセ」が泥酔して号泣するところ。

お母さーん!!
お母さーん!!
淋しいー!!
淋しいー!!
お母さーん!!

 この場面を喫茶店で読んでいたのは失敗だったと思う。花粉症の季節でもないのに何度も鼻をかむのは恥ずかしかったな。