
- 作者: リリー・フランキー
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本
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母親への感謝の気持ちを、筆者の感情のままに綴った自分史。文学的に傑作かどうかはさておき、確かに泣けてしまう。母親からの十分な愛情を受けてきて、かつ「良いかダメかで言えばダメ」に分類されてしまう男性であれば、きっと共感できるだろう。それにしてもリリーさん、この本を読む限り、かなりダメな人だ。まあ、そこがこの本の大事な部分なのだけれども。
自分の住まいがあること、家族がいること、家族以外の人が訪れること、皆でご飯を食べること。「東京タワー」のオカンが教えてくれたのは、そういう素朴な幸せであった。
一番印象に残った場面は、オカンのごはんを誰よりも食べてきた「ホセ」が泥酔して号泣するところ。
お母さーん!!
お母さーん!!
淋しいー!!
淋しいー!!
お母さーん!!
この場面を喫茶店で読んでいたのは失敗だったと思う。花粉症の季節でもないのに何度も鼻をかむのは恥ずかしかったな。