タイカ・ワイティティ監督、ローマン・グリフィン・デイヴィス主演。終戦間際の第二次世界大戦中のドイツを舞台に、ナチへの信奉と自身の良心に揺れる主人公の成長を描く作品。とにかく主人公の演技力の高さに驚く。主人公だけでなく、母親といい、ヒトラー役といい、キャプテンKといい、友達といい、皆演技が素晴らしい。
そして最後のシーンがなんとも良い。ジョジョの頬を叩いた後、彼に「このあと、どうする?」と聞かれたヒロイン。ふたりで見つめ合い、ゆっくり少しずつ踊りだすシーン。この場面だけで本作は見る価値がある。人生に必要なのは、愛と、歌と、そしてダンスなのだ。
ちなみに、本作の冒頭にはThe BeatlesのI Want To Hold Your Handの「ドイツ語版」が流れる。最初に聴いたときは、めちゃくちゃビートルズに似たドイツのバンドが歌っているのかと思ったが、どうやら本人らしい。ビートルズが世界的に売れる前(リンゴ加入前)、ドイツのハンブルグで演奏活動していたことがあると知って大変驚いた。