少しずつツタヤでDVDを借りて、連続テレビ全24話と、「'83冬」、「'84夏」「'87初恋」、「'89 帰郷」までをようやく見終わった。残りは放送時に観たので、これで一応全て観たことになる。感慨深い。
- 子供時代の吉岡秀隆の演技は恐ろしいものがある。天才子役とは、彼のためにある言葉だろう。本当に素晴らしい。他の役者では大滝秀治、岩城滉一、伊丹十三が光っていたな。もちろん田中邦衛と中嶋朋子も素晴らしいです。
- 物語としては、純と蛍の成長を追うという大筋もあるのだけれど、このシリーズが成功した理由はその他のテーマにあるのだろう。「都会と田舎」、「時代の変化」、「生活」、「親子」、「夫婦」、「中年になるということ」などなど。舞台設定だけなく、スケールの大きな作品だと思う。だからこそ、20年経っても色褪せない魅力があるのだ。
- 連続ドラマ時代の最初にして最大の事件は、もちろん妻の不倫と夫婦の離婚である。過去に起きた事件は、もはやどうしようもないことであるが、受け入れるには長い時間と葛藤が必要なのだろう。全ての昨日は過去であるのだが、自分が体験した事実はそう簡単に過去にはなってくれないのだろう。
- 印象に残っているシーンはたくさんあるが、母・令子が子供の様子を見に富良野に来るシーン、帰る玲子を見送る蛍が河原を走るシーン、杵次の葬式で清吉が説教するシーン、玲子が死んだときに吉野が「おじさんが好きになる人はみんな死んでいく」と語ったシーン、玲子を亡くした五郎が純に「つらい」と初めて愚痴をこぼすシーン、他にも草太が純に語るシーンはどれをとっても素晴らしいし(親とか男とか恋愛とか、とにかく草太兄ちゃんはかっこいいのだ)、泥のついた新札のシーンなど、きりが無い。