雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

3連休

 今年の冬は実に暖かくて、寒さに弱い私としてはとても有難い。ま、それでも冬は温泉に行きたくなるもので、有馬温泉に行くことにした。幼少の頃の記憶は定かではないが、多分初めての有馬温泉。雑誌「SAVVY」を見て行きたくなったんだけど。目指すは「太閤の湯*1」。

 話を聴くところ、街中は「いかにも温泉街」という感じで、大したことは無いとのこと。お湯に入るだけの一日も勿体無いので、有馬温泉に行く前に池田の「インスタントラーメン発明記念館」に行くことにした。ここは、故・安藤百福氏の記念館でもある。プロジェクトXでも取り上げられた、立志伝中の偉人である。前から一度訪れたかったところだ。

 ネットで調べてみると、チキンラーメンを自分で作ることが出来るコーナーを発見。これは是非体験しなければ、と思って予約しようと電話したところ「休日だと3ヶ月前には予約が一杯になる」とのこと。すごいな。


 10時頃に記念館に到着。入口にある安藤百福氏の遺影に手を合わせて中に入ると、日清食品が過去に販売したインスタントラーメンがずらりと展示されている。「ああ、こんなのあったなあ」と懐かしくなる。特にカップヌードルの種類は驚くべきものがあるね。チキンラーメンも発売当初のキャラクターはひよこじゃなかったのか。しかも栄養食品として売られていたとは。

 チキンラーメン作りは残念ながら体験できなかったが、「マイカップヌードル作り」は予約無しでも体験できるということで、作ってみることにした。ひとつ300円か。んで入場料は無料、と。なるほど、賢いな。

 カップをもらい、自分でデザイン(落書き)して、好みのスープの味と具材を決めるだけなのだが、これがなかなか面白い。蓋をして、袋詰めされた完成品をもらうと、嬉しくてたまらない。周りはほとんど子供だが、そんなことは気にせずはしゃぐ。

 その他にも、チキンラーメン発明時の「研究小屋」を再現した部屋があったり、宇宙でインスタントラーメンを食べる映像を見たりして、とても楽しい時間を過ごして記念館を出る。食足世平。


 そこから有馬温泉を目指したのだが、渋滞に巻き込まれて2時間ぐらい無駄にしてしまった。しかも、有馬についたは良いのだが、「太閤の湯」の駐車場は満車のため更に待たされるし、しばらくして駐車はできたものの、今度は入場に1時間待つことに。待ち時間を利用して街中を歩いてみても、昼食の時間帯は終わっていたようで、どの店も閉まっている。団子でもいいから食べようと思ったら「売り切れました」と言われる。ふざけんな、3時に売り切れる団子屋があるか。とは言わなかったが、何だか有馬という街に歓迎されていない気分になってかなり落ち込んだ。

 
 教訓としては、

  • ナビの無い車で行く場合、事前にルート調査を綿密にしておくこと
  • 私は待つこと、並ぶことが本当に嫌いであること(要するに、人に時間を奪われることが嫌いなのだろう。私の時間を奪って良いのは対価を払ったものか、私が個人的に許可した者だけである)
  • 嫌なことに遭遇して不機嫌なときにこそ、その人が持つ素の人間性が現われる。久々に自分の嫌な部分(短気さというか、器の小ささというか)が露骨に出てしまった。つらいな。そういう状況でこそ、他人への配慮が出来るようにならなければ、と思うのだが。


 と、まあ嫌なことがあったにせよ、ようやく施設に入れることになり、中に進む。入浴料2400円を支払い、更衣室で館内着に着替えたら、なんだかほっこりした気分になる。宿で浴衣を着るのと同じ効果だね、と話しながら風呂につかる。金泉も銀泉も、実に身体に良さそうなお湯の色だ。露天風呂もあり、のぼせる寸前までお湯につかったあとは足湯につかりながら横になる。冷たい風が気持ちいい。脈打つ身体を感じつつも、やけに頭が冴えていることが分かる。

 ふと、自分の細胞について想いを廻らす。今、頭は冴えているが、体内は熱しすぎて制御できないほどだ。皮膚は風を受けて冷たいと感じているが、心臓と脈はそれ自身に意志があるかのようにどくどくと暴走している。結局、私の意思が自由に動かせる身体や心は私の一部に過ぎないのだろう、と思う。そして、聞くところによると、思うようにならないこの私の身体の細胞は、数ヶ月の周期で生死を繰り返しているらしい。その意味で、生きるということは「死ぬまで生きること」では無くて、「生死を繰り返すこと」だと考えると、何だか自身の内に無限が存在しているように思えて安心する。死は生の一部であり、生に執着していても命は充実しないのだろう。勿論、生きている以上、生への執着は決してなくなりはしないのだけれども。寒くなってきた。またお湯に入ろう。


 しばらくしてから、岩盤浴にも初挑戦することにした。石の上に寝るだけで汗が出てきてデトックス、だそうだ。どこのあるあるだよ、と思いながら横になる。サウナと違って暑くないし汗なんか出ないよ、と思ってうとうとしていると、気付いた頃には全身が汗だくで驚いた。暑くないのに汗が出ている(!)。しかも止まることを知らない滝汗。ここでも私の脳の知らないところで身体が暴れていて面白い。30分の時間制限があったので外に出てきたが、放っておくと脱水状態になるまで汗が出続けるかもしれない。すごいぞデトックス岩盤浴


 その後はまたお風呂に入ったり御飯を食べたりと、まあだらだらして夜遅くに家に帰った。途中で思い切りへこんだが、施設自体はインスタントラーメン発明記念館有馬温泉太閤の湯も非常に良いところだった。また近いうちに行きたいな。