雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

JAZZを聴くようになってから、音楽に歌声って邪魔だよなあ、と感じることが多かったのだが、そんな思いを吹き飛ばしてくれたのがこの2作品。

Songs in a Minor

Songs in a Minor



Alicia Keysを知ったのは確かMTVの表彰式だったかな。受賞の挨拶が素晴らしかったことと、そのときの企画でStevie Wonderと"Higher Ground"をセッションしていたのが印象的だった。"Diary of Alicia Keys"より"Songs in A Minor"の方が好みですね。歌が上手いって、それだけで素晴らしいことだと思った。


サンボマスターには驚いた。というより泣いた。号泣した。歌詞が今の私の心境に直撃し、山口隆の叫びに心が激しく揺さぶられた。

このまま何も残らずに あなたと分かち合うだけ
やがて僕等はそれが全てだと気がついて
悲しみは頬を伝って 涙の河になるだけ
揺れる想いは強い渦になって溶け合うのよ


『青春狂騒曲』

僕らが望むのは後ろ向きなこの日々をかすかに変える そんな力


『美しき人間の日々』

君の名は必ず叫ぶから 
僕のこと 信じちゃくれないか
あふれ出す涙の日々はただ
月に咲く花のように僕ら送ろうぜ


『月に咲く花のようになるの』


歌詞が深い。哀しみを知る者だからこそ描ける喜び。絶望を体験しているからこそ得られたポジティブさ。虚無を味わったからこそ叫ぶことの出来る愛。どれもが全て素敵な詩だった。


リアリティのある詩とはなんだろう。現実を言葉で表すことは抽象化することに他ならないのに、しかしそれでいて世界の生々しさを失わないような詩。言葉に勝手な暴走をさせず、ありきたりで軽い言葉をつかわないこと。世界と自分の関係に正面から向き合い、自らの人生を受け止めること。鬱屈もせず、無理にポジティブになろうともしないこと。


サンボマスター、いいですよ。ほんと。