雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

カフェ2杯目

3月5日は勢いだけで書いたので、ノスタルジーだけの文章になってしまった。
私が書きたかったのは仏蘭西のカフェについての一般的な話だったのに。



巴里滞在期間は一週間と短いものだったから、どうしても部分的事実からしか
語れないのだけれど、巴里にはコンビニが無かった。そして、日本におけるコ
ンビニの数の倍くらいのカフェがあった。そうしたカフェは大抵朝(7時とか
8時とか)から夜まで開いていて、しかも何故かほぼいつでも客がいる。別に
変わったものが置いてあるわけではなく、日本と同じ軽食と飲み物くらいしか
ないのに、である。まあ、馬券が買えたりする喫茶店は日本には無いだろうけ
れども。ともかく、一見何の変哲も無いカフェが、不思議なほどに市民の生活
に入り込んでいるのだ。



スペインを旅していた時も、同じような景色に出会った。BAR(バル)という軽食
喫茶店兼飲み屋がやたらと多くて、それでいてどの店でもお客さんが結構入って
いたのだ、それも朝から深夜まで。生活に無くてはならない存在としての喫茶店、
これは日本人である私には理解が難しい環境だが、同時に魅力を感じるところ
でもあった。BARは住まいの一部であり、店員は家族のような友達のような
存在だろうか、そしてそこは「皆が集まる場所」でもあるのだ。



私は「ゆきつけの店」が好きだ。新しい所を探すことにも楽しみはあるが、ゆき
つけの店が持つ安心感には代え難い。飲食店でも、美容院でも。商品よりも、
店員と私との関係から生まれる雰囲気を重視しているのだ。だから、スペイン
でもフランスでも同じ思いを持った。ああ、こんな喫茶店が欲しい/作りたい、と。
「珈琲が美味しい」でも「お洒落で明るい」でも「夜景がきれい」でもなく、
しかし近所の皆が集まるお店。



今はまだ実現は難しいと考えているのだけれど、いつかやってみたいと思って
います、私とあなたの喫茶店。






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追記


「カフェ文化」という訳の分からない言葉があります。googleで調べてみれば、
それが如何に不可解で陳腐な言葉か分かっていただけるでしょう。オープン
カフェかどうかなんてことは大して重要な要素とは思えませんしね。さて、ここで
慇懃無礼に独断と偏見でものを言いますよ。「カフェ文化」なんて存在しません。
存在するのは、話し好きな仏蘭西人なのです。仏蘭西人が複数でカフェに入
れば、店を出るまでずっとしゃべり倒すし、独りの客も大抵は店員とおしゃべり
しています。ということは、「日本にはカフェ文化が無い」、なんていう人は、相当
間抜けなわけであるし、更に日本において巴里風(?)の喫茶店を有難がって
いる人は、本当にトンチキなわけであります。

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