斎藤道三と織田信長の会見を見事に描いた回。会見という名の戦であり、緊張感、駆け引き、攻め合い、そして和睦と、素晴らしい台詞回しで演じきった。道三(本木雅弘)の扇子を持つ手や表情など、一挙手一動作に意味がありありと感じ取られ、見ていてしびれた。加えて、カメラの構図と陰影の使い方も良かった。広々とした空間と二人の距離間、あえて影で信長の表情を消すことによって生まれる凄み(本作品における信長の特徴は、「狂気」である。)、なにもかもが素晴らしかった。道三の「帰って家臣にでも尋ねるがよい(=そなたを殺すことはない)」という台詞を、話す道三の顔を映すのではなく、聞く信長の顔を映すあたり(そしてそれを表情だけで演じる染谷さん)、玄人好みな演出で大変気に入った。