雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス [DVD]

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 「ザ・フライ」や「裸のランチ」で有名なデヴィッド・クローネンバーグ監督の作品だが、グロテスクな作風は抑えて、(一応)話の中核は家族の絆というまっとうなテーマに設定している。幸福な家族が一度崩壊して、再生の道を歩み始めたところで物語は終わる。物語の背景部分の説明を敢えてカットしているためだろう、無駄の無い映画になっている一方で、何が何だか分からないまま終わってしまうという感も多少ある。


 アクションシーンがなかなか素晴らしい。主人公は、如何なる敵を殺したあとも残心を忘れない。銃を撃つにしても、首をねじるにしても、リアルでかつ様式美を感じさせる。そこは流石、クローネンバーグ監督。ヴィゴ・モーテンセンがトムのときに見せる素朴な男の顔と、ジョーイのときに見せる殺人鬼としての顔とのギャップ*1がすごい。

 

*1:とくにマフィアを始末した後、息子に近づくときの顔が相当怖い。