先日、総合病院の口腔外科で親不知抜歯の手術を受けてきた。
口腔外科も、全身麻酔も、入院も、初めてのことだった。
医師が言うには、親不知ってのは案外厄介なもので、
放置しておくと、生え方が悪い場合には歯並びが悪くなったり、
偏頭痛がしたり、奥歯が虫歯になりやすくなるとのこと。
そして、その摘出には全身麻酔を伴う手術と、その後の安静、
点滴等のために入院がよろしい、と。
・・・マジっすか?
たかが歯を抜くだけなのに。
やっとこでズポッといっちゃってくれよ。
と思ったが、担当医が丁寧に説明してくれたので、
安心、納得して従うことにした。
手術については、麻酔のため、全く覚えていない。
むしろ衝撃的だったのは全身麻酔。
2時間くらい意識を失っていたんだけど、非常に楽しかった(w
医師には「夢を見るような感じだと思うよ」と言われていたが、
・・・いや、違うね。まさしく「麻」に「酔」う、だな(?)。
あれはトリップしていたとしか言いようがなかろう。
後から聞いた話によると、手術後、病室に運ばれているときに
私は「あ〜、楽しい〜」と笑っていたらしい。
ただ、問題は手術後。
仕事を休んでしばらく入院していたのだけれど、辛かったな。
両顎が腫れてズキズキ痛むし、ことばは上手く喋れないし、
ものを噛むことが出来ないから流動食しか食べられないし、
偏頭痛の為に熟睡できなかったし。
・・・看護婦さんはとても忙しく働いているから構ってくれないし(?)
四人部屋の、カーテンで区切られた狭いベッドから天井を
見続ける生活は、とても切なかった。
他の患者さんは毎日どんな想いで過ごしているのだろうか。
話すこと。
食べること。
眠ること。
部屋の外に出ること。
痛みが無いこと。
働くこと。
・・・日常における何気ない(当たり前に思っていた)幸福を、私は失ってから
発見したのだった。