雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

卵をめぐる祖父の戦争

 

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ文庫NV)

 

 

デイヴィッド ベニオフ著、 田口 俊樹訳。素晴らしい作品。主人公が軍隊に捕まり漆黒の牢屋に閉じ込められる場面、ナチスが文字が読める者と読めない者に捕虜を分ける場面、そしてクライマックスのチェスの場面と、没頭してページをめくり続けていた。

 

読みやすく、ユーモラスに描かれているし、主人公(祖父)にとってはハッピーエンドなのだが、読了後に強く印象に残ったのは戦争の悲惨さとみじめさである。レニングラード包囲戦という背景もあるのだが、人は常に飢えていて、そして簡単に死ぬ(殺される)。それが戦争であり、非常事態における日常風景なのだ。

 

爽やかな秋晴れ。昨日は保育園の秋祭り、今日は公園で身体を動かす。日が暮れるのが早くなってきた。5時を過ぎると、暗くて寒い。冬が近づいてきたのだな。気が付けば家のヤマボウシも真っ赤になっている。

 

夏はビールかワインを飲むが、冬は日本酒かウィスキーだ。今日は珍しいことに「タリスカー10年」が特売価格だったので購入。以前、とある友人が結婚プレゼントにくれたことを思い出す。粋な贈り物だな、と改めて感心する。元気にしているだろうか。

山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇

 

山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇 (新潮文庫)

山口瞳「男性自身」傑作選 熟年篇 (新潮文庫)

 

 

山口瞳著。おそらく、著者60代の頃の作品集。こうした、年配男性の話を直接聞くのはしんどい気もするが、エッセイなら読んでも苦にならない。いずれ自分もこうした年代になるのだな、と思いながら読み進める。世代間の差というものは、経験や時代背景を反映したものであり、避けられないものであると同時に、相互に理解しあうことに限界はあると改めて感じる。違いを違いのまま受け入れるしかないのだろうが、難しいのはそれを「お互いに」受け入れることだ。

 

本作で印象に残ったのは、著者の従軍時代の記憶を綴ったところ。軍隊で経験したいびり(いじめ、体罰)、階級主義、理論軽視の精神論主義など、今も日本に受け継がれている「日本的なもの」が鮮明に描かれている。敗戦という強烈な出来事を経たにもかかわらず、日本的精神はそれほど変わらなかったのかもしれない。

ディズニーシー

ディズニーシーに行ってきた。さすがに人は多かったがそれほど並ばず、概ね希望のアトラクションに参加できた。どこも細部までしっかり作りこんでいて、お金をかけて「夢の世界」を演出しており、これは他の遊園地とは異なるものだと感じた。何度でも行きたい、と言うほどではないが(チケットも高額だし)、子どもがいるなら一度は行ってみる価値のある施設だと思う。

 

私個人としては、抽選に当選したため鑑賞できた「ビッグバンドビート」が大変気に入った。タップダンスとドラムをするミッキーマウスに感動してしまった。