雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

屋久島旅行(2日目)

天候は曇り、島の中心部には厚い雲が見える。天気予報によると台風はすぐ近くで停滞している模様。宿の朝ごはんを美味しくいただいた後、白谷雲水峡に向かう。

 

途中で弁当屋さんで「登山弁当」を購入するが、通常は縄文杉を目指す人たちが早朝(午前4時~5時頃)に寄る店らしく、午前9時頃に行っても店には誰もいない。小窓を空けたら弁当の入ったビニール袋が置いてあり、こちらも所定の封筒にお金を入れておく。弁当の無人販売は初体験だ。

 

白谷雲水峡入り口に到着。すでに駐車場はほぼ満杯で、自分達が出遅れていたことに気付く。行程はいくつか選択肢があったが、いつ雨が降りだすか分からなかったので、一番速くいけるコースを選ぶ。比較的歩きやすい道のりで、アップダウンもそれほどなく、古くて大きな杉や一面に広がる美しい苔を眺めながら歩きだす。目的地はまだ先だが、森の中はどこも綺麗で、歩いているだけで癒されてしまう。

 

ところがしばらく歩いて休憩しようとしたときに痛恨のミス。なんと、水を忘れていた。家族皆、自分のリュックを探すが見つからない(それぞれ、自分以外の家族が持っていると思い込んでいた)。トレッキングに水がないなんてあり得ないとは思ったものの、屋久島のガイドブックによると島には至る所に川があり、しかもその水は飲んでも大丈夫(美味しい)とある。確かに、今日のコース上には川はいくらでもあるので何とかなるだろう。ということで、水がない不安を抱えつつ先に進む。小川を見つけ次第小休憩をとり、川の水をぐびぐび飲む。昔の旅人もこうやって喉の渇きを潤していたのだろう(竹筒があったら完璧だったのに)。

 

途中で雨が降ってきたので用意してきた合羽を上から羽織ってゆっくり進む*1。幸い、雨は昨日のようなスコールにはならず、しとしとと断続的に降るレベルだったが、それでも地面はぬかるんで歩きにくい。

 

疲労を感じつつ先に進むと、ついに目的地の「苔むす森」に到着。片道約1時間半。道はまだ先に続いていたが、雨が本格的に降りだすと危険なのでここまでで引き返すことにする。それにしても美しい森だ。宮崎駿監督が「もののけ姫」を描くときにこの森をイメージしたと言われるが、たしかにシシ神様の森の雰囲気で神秘的だ。小雨が降り続いていたが、この苔むす森には雨がよく似合う。美しい。

 

苔むす森

 

昼食後は例の登山弁当*2。雨もほぼ止んできたので、足の疲れは感じつつも帰りは楽勝。最高のトレッキング体験だった。

 

下山後はホテルの日帰り風呂に入って疲れをとり、ジェラート店でアイスを食べ、宿に向かう。海沿いの宿はテレビも無く、夕焼けが沈む海を眺めて時間が過ぎる。ここで満点の星空が見えたら最高だったのにな。

 

*1:少し蒸し暑かったが何とかしのげるレベル。ビニール合羽だったら大変なことになっていただろう。登山用ウェアの機能を実感する。

*2:正直に告白すると、苔むす森における飲食禁止看板が目に入らず、ここで弁当を食べてしまった。誰にも注意されなかったのは、この日は雨のせいで全体的に人が少なかったからかもしれない。大変申し訳ないことではあるが、至福の昼食時間だった