- 作者: 高橋睦郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 新書
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高橋睦郎著。選首とその解説に独特の味がある、漢詩入門書のひとつ。個人的に最も気に入ったのは、道元の作品。著者の読み下し文だと実にリズムが良く、諸行無常の境地が明確に伝わってくる。
生死憐れむべし雲の変更
迷途覚路 夢中に行む(すすむ)
唯留むるは一事 覚めて猶記ゆ(おぼゆ)
深草閑居 夜雨の声
最終句である「深草閑居夜雨声」の冷徹さが素晴らしい。次の詩も、同じく道元作。
世の中は何にたとへん水鳥の
嘴振る露にやどる月影
色即是空、空即是色。嗚呼。