旅といっても近場だけれど。関西最新最大(?)の複合商業施設なんばパークスから電気街日本橋を通り、レトロな歓楽街新世界へ行ってきた。3つの地点はそれぞれの距離が徒歩5分ほどのものなので、一日にまとめて廻ることは簡単なのだが、それらの街のあまりの違いように驚いてしまう。
なんばパークスについては、何やら「すごく魅力的な街が生まれた」との評判(宣伝)を耳にしたので行ってみたのだが、商店街を縦に積み上げただけのような気がしてならない。もちろん、建物は綺麗だし、いずれのお店も居心地の良い雰囲気を作っているとは思う。店の種類も本当にたくさんあって、物欲もそそられるし、非常に便利だとも感じた。ただ、やはり商店街や百貨店との違いがよく分からない。「別に何も違わない。単なるブランド名だ」というならそれで納得がいくのだが。東京ミッドタウンや名古屋ミッドランドと同じ位置づけがされているようだが、それではこれらもやはり「縦に積みあがった商店街」なのだろうか?
・・・などと感じていたが、以下に書くもう二つの街を見て、私は「なんばパークスすごい!新しい大阪の息吹!大阪の最後の希望!」と転向するのであった。
なんばパークスも、施設を出ればやはり難波。雑然とした大阪の町並みが広がる。しばらく歩くと日本橋の電気街に出るのだが、先に綺麗な「街」を見てきたからか、何とも美しくない景色だと感じた。電気街と言いつつ店舗の半分はアダルト系商店だし、ゴテゴテとした看板が鬱陶しい。歩く人々も、なんばパークスで見かけた人とはオーラが違う。歩いて5分でこうも世界が変わるとは。
SHOP99で烏龍茶を買い*1、しばらく歩くと通天閣が正面に登場。おお、結構迫力があるぞ。というわけでいよいよ新世界、昭和の街へタイムスリップだ。
・・・歩く人の雰囲気が、電気街ともまた違う。高齢者が多いということもあるけれども、それだけではない。服装?歩き方?鋭い視線?言葉も、こちらの言うことが通じるか不安になるくらいに、何かが違う(これはさすがに言い過ぎか)。古くて小さい店が続く通りを歩く。どんどん近づく通天閣。やたらと多いのは串かつの店。他には、床屋*2、将棋センター*3、雀荘に古いパチンコ、ポルノ映画館などなど。すごい街だ。これが観光用に整備された「昭和の町*4」ではなくて、今も生き続けている街であることがすごいと思う。
さて、夕飯はもちろん串かつである。新世界に来たら食べねばなるまい。出来るなら近年観光客向けに作られた「コテコテの、いかにも新世界風な串かつ屋」ではなく、古くから営業している普通の串かつが食べたい。とは言え、一見の客が常連だけが集う店に飛び込むのも少し気が引ける。ということで、今回入ったのは串かつ屋の「だるま」だ。ネットで評判が良かったから、というだけの理由なのだけれど。店を発見したのは19時頃で既に満席だったが、運良く5分ほど待つと席に着くことができた。最初に土手焼きを頼んだら、さあ、後は串かつをたらふく食べるのみだ。1本100円でこの美味しさ。揚げ物だが案外さっぱりしていて、量も結構食べられるのだ。ということでビールも相当飲んでしまう。最近は飲んでばっかりだな。
すっかり酔っ払ってしまい、外に出た頃には通天閣もライトアップされて綺麗だった。ふらふらと歩くと、スマートボールの店を発見。ピンボールとどう違うのだろうか、などと思いながら店に入り、席に着く。後は財布から100円玉が無くなるまで打ち続けて*5、ジャンジャン横丁からフィスティバルゲートに向かう。莫大な借金を抱えて潰れた第3セクターの慣れの果てだ。いくつかのテナントが頑張って営業を続けていたが、もはや使われなくなったジェットコースターのレールを見ていると、何とも感傷的な気分になる。隣のスパワールドはどうなんだろうか。つくづく、大阪は混沌とした街だと思うが、まあ都市がカオスなのは当然のことなのかもしれない。