雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

上海3日目

 ツアー最終日は自由行動である。観光地巡りはもう飽きたので、ひとり下町を散策してみることにした。中心部から少し離れると、大都会上海という感じではなくなり、普通の庶民の暮らしを垣間見ることが出来る。まあ、それも開発の手が届くまでの、時間の問題なのかもしれないが。


 最初に庶民の生活風景に気付いたのは、洗濯物を見たときであった。通りを歩いていると、外に洗濯物が干してある。どうやら、家の窓から道路の街灯柱へ紐をかけており、そこに洗濯物を干しているようなのだ。うん、なんだか観光から旅に切り替わってきた感じがしてきた。


 気付くと、通りに人だかりが出来ていた。近づいてみると、麻雀をしている人と、それを取り囲む人の輪であった。路上麻雀とは、なんと大陸的(?)なんだろう。私も見学させてもらおう。牌の大きさが違うとか、点棒を使わず現金払いであることとか、日本のものと多少の差異はあれど、紛れも無く麻雀である。いや、本場の麻雀である。しゃべっている意味は分からないけれど大体の流れは分かる。ただ、牌の捨て方だけは理解できない。何故ちゃんと並べないんだ、それじゃ誰の捨て牌か分からないじゃないか、フリテンとかどうするんだなどと思いながら眺めていたが、周りの人も含めて皆楽しそうに遊んでいるので、そんなことはどうでも良いのだろうと思うことにした。


 とにかく歩く。ひたすら歩く。旅の基本は、とにかく歩くことだと思う。自分のサイズで街を感じるためには、歩かなくてはならないのだ。そして、異国の地というのは、歩いているだけで楽しく感じてしまえるものなのだ。というわけで、歩いて、ふらりと地元のスーパーに寄って良く分からない商品を買って、屋台で食べたりする。点心の類は、具が野菜か肉かぐらいしか分からないが、とにかく旨くて安い。段ボールが入っていてもこの味が出せるなら構わないじゃないか、とすら思う。




 遠くの交差点で、路上に人だかりが出来ていた。何だろうと近づいてみると、市場が開かれていた。野菜や衣類が売られている中、目を引いたのは「鶏」であった。生きているのである。商品なのだろうかと眺めていると、客がそれを購入したようだ。すると、店の人は首をばっさりと切り落としてしまい、しばらく血を抜いたあとでお湯に放り込み、鮮やかな手つきで毛を毟りはじめた。なるほど、鶏とはこうやって売るものなのか、と私は感心しながら一部始終を眺めていた。


 その後、マッサージ屋さんに行き、1時間、至福の足裏マッサージコースを堪能して*1、屋台で小龍包を食べて、合流地点へ行き、空港へ向かった。


 初めての中国旅行。上海の発展ぶりを直に見ることが出来たのには満足。食事も雑技団も堪能できたし。また来たい、とは・・・思わないけれど。今回はほとんどパッケージツアーまかせだったので、非常に楽に廻ることが出来たのは良かったかな。短い期間で海外旅行をするなら、こういうのも悪くないと思った。

*1:めちゃくちゃ気持ちよかった。サービス内容も、お店の人の態度も言うことなしであった。ちなみに店名は、「MAGPIE:風雅堂」。