- 作者: ドストエフスキー,原卓也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1978/07/20
- メディア: 文庫
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年末年始を利用して読もうと思っていたのだが、結局3週間近くかかってしまった。これでしかも第1部が終わっただけとは(第2部は著者が墓場に持っていってしまったので存在しないが)。長い。長いよ。まあ、仮に倍の長さでも構わないのだけれど。文庫本の栞を外して、読書を再開するのがここ最近の楽しみだったので。
大学時代、ある教授がドストエフスキーを薦める際に「ただし、彼の著作には毒があります。気軽に読むとかなりの衝撃を受けるので覚悟するように。そして、だからこそ若いうちに一度読んでおくことをお勧めするのです」とおっしゃっていたことを、読み進めながら思い出していた。
キーワードは「全ては許される」ことであり、そしてそのことに人間は堪えられないだろう、ということだ。善良と淫欲の異なる2つの性質を併せ持つ「カラマーゾフ的人間」はもちろん全ての人間にあてはまるわけで、そのような人間にとって「自由」はあまりにも荷が重いのだろう。
「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」、ひとりの作家がこの2冊を書いてしまうとは、すごい。私はまだこの2冊しか読んだことが無いのだけれど、今更ながらドストエフスキー恐るべし。この本は、ヴィトゲンシュタインが出征中に50回読んだという伝説があるが、確かに読み直す価値がある内容だった。いつになるかは分からないが、次回読むときが楽しみだ*1。それはさておき、ドストエフスキーの作品で今度読んでみたいのは「地下室の手記」と「賭博者」かな。しばらく先の話になりそうだけれど。
*1:新訳の文庫が現在進行形で発刊されている。文庫で4巻になるらしいが、相当読み易くなっているらしいので是非こちらも読んでみたい