雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ゴールデンカムイ

[第1話] ゴールデンカムイ - 野田サトル | となりのヤングジャンプ

 

野田サトル著。名前くらいは知ってはいたが、なんとなく興味がわかずに未読だったこの作品、全話無料公開と聞いて軽い気持ちで読み始めたところあまりの面白さに読むのが止められなくなってしまい、大変困っている。おかげでこの週末、ずっと寝不足だ。

 

北海道を舞台とした金塊の奪い合い、誰が見方で誰が敵か分からないままに話が進む。駆け引きと騙し合い、迫力ある格闘、切れ味抜群のギャグ(的の真ん中はドリフ世代の中年男性)。素晴らしい。

 

どの登場人物も個性豊かで、というかクセが強くて印象に残るが、中でも断トツなのは8巻に出てくる人皮剥製家の江渡貝である。そして、この「江渡貝くぅん」の登場によって、鶴見中尉の変態レベルが一気に上がり、かつその天才的な頭脳が読者に印象付けられる。これまで、鶴見中尉は「ヘルシング」に出てくる少佐のような切れ者の戦争愛好家だと思っていたが、それだけでにとどまらず、人たらしの才能、器の広さが読者に示される。「敵役が魅力的であること」が名作の条件であり、ゴールデンカムイの面白さは8巻でひとつの極みに達した(そして、相当程度の読者が離れた)ものと考えている。