雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ビジネス書?

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)


 「上司はバカかもしれないしバカじゃないかもしれない」ということを念頭において上司と接する、という発想はなかなか新鮮だった。これは上司に限らず、一般に偉いとされている人全てに当てはまることかもしれない。いや、偉い云々の問題ですらなく、「この人も、私と同じ人間なのだ」という大前提を無視しては何事も上手くいくわけがない、ということか。


 組織が大きくなると必然的に現場と経営陣に乖離が起きる。このような弊害はきっと常識なんだろうけれど、そんな当たり前のことを文章にするのが橋本治は上手いんだよな。まあ、何故当時はあれほど売れたんだろう、という疑問は正直あるが。購読者はどういう層が中心だったのか、少し気になる。




 読みやすく、単純で、分かりやすく、ためになる。さすがに177ページなので、物足りない部分もあるけれど、こういうHOW TO本は実践が大切なので大部の長編にするのも良くないだろう。書き言葉と話し言葉の違いを意識して練習を積んでいけば私の会話能力も徐々に上がっていくかもしれない、なんて楽観的な気持ちになってしまった。「矢印メモ」のすごさよりも、NHKアナウンサーのテクニックや知恵、研修内容の方に興味があるなあ。