ゴミ投資家のための人生設計入門(編集:海外投資を楽しむ会)
ゴミ投資家のためのビッグバン入門(タックスヘイヴンを楽しむ会)
いずれもid:phaに借りたもの。「さあほら今がチャンスですよ、いいえ今しかチャ
ンスは無いのです。さあ買いましょう始めましょう、あるだけつぎこみゃ確実なリタ
ーンが!」という類の煽り本ではなくて、むしろ悲観的なほど冷静に、こうしたリス
クがあるんだよ、ということを諭してくれる本。最近私はリスクというものをどのよ
うに引き受けるべきか、ということに関心があるのでとても役に立った。
確かに金融商品にはリスクがある、しかし「一般人は金融に手を出すな」という
結論にはならないはず。大切なのは、金融の世界と無縁に生きることではないで
しょう。貯金(国内外を問わず)、国債、株、投資信託、保険、不動産、なんにしろ
リスクは必ずあるわけで、必要なのはリスクを知り、それを引き受ける見通しと
覚悟を決めた上で購入すること。無為に過ごすことにだってリスクは存在するの
だから、結局ノーリスクという選択肢は用意されていないのだろう。例えば『ビッグ
バン入門』では、外貨預金は為替変動によるリスクがあるからおすすめできない
と書いてあるが、と言ってそのまま日本円で銀行預金を続けていれば安全だとも
言えないだろう。円安になった場合、日本国内でインフレが起こった場合、「外貨
預金をしない」という選択をとることに潜在していたリスクが見えてくるのではない
だろうか。
リターンには興味を簡単にもてるし、それを知り想像するのは楽しい。しかしそ
こには必ずリスクがある。売り手が隠しているだけかもしれない。リスクについて
考えるのは気が滅入るし面白くないけれど、日頃からリスクを「当然あるはずのも
の」と意識する習慣を身に着けておかないと騙されてしまうんだろうなあ。