雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

川の底からこんにちは

 

川の底からこんにちは [DVD]

川の底からこんにちは [DVD]

 

 

 石井裕也監督、満島ひかり主演。どん底からの開き直り、そのエネルギーと疾走感は力強く爽快で愉快。登場人物は概ね「ダメ」な人たちだが、まあ、映画に限らずだいたいが皆「中の下」ということで。

 

 脚本も素晴らしいが、満島ひかりさんの演技も良かった。個人的には「社歌」のシーンが最高。人生に気合をいれたいとき、また観たくなる映画だ。

 

ストーナー

 

ストーナー

ストーナー

 

 

  ジョン・ウィリアムズ著、東江 一紀翻訳。地味で、暗くて、しかし素晴らしい小説だった。生きることの熱量、そしてその裏にある悲しさが詰まっていた。

 

 東江氏はこの作品が最後の翻訳。ドン・ウィンズロウの作品を多く翻訳しており、「犬の力」も「フランキーマシーンの冬」も彼の翻訳。壮大でありながら恐ろしく冷徹な文体で、ハードボイルドな世界に浸らせてもらえた。まだ若くしてお亡くなりになたのは、残念。

 

 翻訳家としての最後の作品として「ストーナー」を選んだのは、主人公の生き様に感じるところがあったからだろう。派手ではない人生だが、それでも強い気持ちを胸に秘めて毎日を生きる、しかし人生は思う様には進まない。挫折と共に歳を経るのが人生だ。生きることは、なかなか骨の折れることだ。

 

 訳者あとがきにあった、この言葉が胸に残った。

人は誰しも、思うにまかせぬ人生を懸命に生きている

 

 

 

「渋滞」の先頭は何をしているのか?

 

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

「渋滞」の先頭は何をしているのか? (宝島社新書 291)

 

 

よくわかる渋滞学 (図解雑学)

よくわかる渋滞学 (図解雑学)

 

 

 西成活裕著。おおむね同じようなことを書いていながら、「「渋滞」の先頭は何をしているのか? 」の方が断然面白かった。渋滞は、ほんの少しの上り坂でスピードが落ちることから生じる。それを避けるには車間をあけること。早く前に行こうと焦る気持ちがかえって混雑を呼ぶ、という話。

 

 難をひとつあげるとすれば、「江戸しぐさ」を肯定的に書いてしまっているところ。ジョークで取り上げている可能性もゼロではないが、仮にも渋滞「学」を謳う西成氏が、こんなトンデモ説を載せてはいけないと思う。

 

劇場版 動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊

 竹本昇監督。今年最強の寒波とやらで、雪は舞うし外は寒いしで、さすがに外遊びは無理となり、映画館に行ってみようかと誘ったところ、長男は俄然乗り気。それもそのはずで、生まれて初めての映画館だし、観に行くのは大好きなニンニンジャージュウオウジャーの映画とあれば、興奮いないはずがない。妻はモール内で買い物をするということで、父子ふたりで鑑賞。子供向けの映画だからか、それとも時間が約60分という短さからか、料金は大人1,200円とのこと。子供とあわせて2,000円なら案外安い。

 

 大きな画面に室内に響き渡る音声、最近のテレビは(私の子供のころと比べて)画面が大きくなったものの、やはり映画館は非日常。次第に暗くなっていく照明も含め、長男はどうも落ち着かない雰囲気。とはいえ、作品が始まったらいつもどおり画面にくぎづけ、内容的にも大いに楽しめたようで何より。テレビと映画とDVDの違い、少しは理解できたのかな。

 

 なお、本作品は2月から始まる新番組「宇宙戦隊キュウレンジャー」の番宣も兼ねているようで、ひとつの作品に3つの戦隊ものが登場するという詰め込みぶり。あっという間の60分だった。長男は映画鑑賞後も興奮冷めやらず、細部にわたって物語を反芻し、帰宅後も「戦いごっこ」を延々と続けるのであった。

 

 なお、翌日は大雪。朝から雪だるまを作り、近所の子と雪合戦をし、大はしゃぎだった。一方の大人は寒さにやられ、体力を奪われ、翌日以降の出勤風景を想像してげんなりしていたのだが。

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
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 アービンジャー インスティチュート著。再読だが、改めて気付きを与えてくれる本だと思ったし、今後も折に触れて読みたいと思った。それほどに、人は簡単に、そして無意識に「箱」に入る、ということなのだろう。

 

 自分の良心や心の奥底にある感情を裏切ったとき(=自己欺瞞)、人は「箱」に入る。箱に入った人は、自己正当化する必要性から、相手を必要以上に見下し、欠点を探し、憎悪する。その箱は相手にも同様の態度をさせる効果があり、相互に箱を強化する。

 

 「箱」から出るためには、自分が箱に入っているかもしれないと意識すること、自分は間違っているかもしれないと疑問を抱くこと、箱に入る必要のない人とのつながりを得ること、などが有効。

 

 また、この本では、何を言うべきか、とか、どんな態度で伝えるべきか、という方法論の以前の問題として、「人をモノとしてではなく人として相対すること」の大切さが繰り返し説かれている。なぜなら人は、相手が自分をどう思っているかを感ずることができるから。 テクニックで本心を隠し続けることはできない。


 

  • 完璧であろうと思うな。よりよくなろうと思え。
  • 他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ。

 

 

 

irota.hatenablog.com

 

 

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UA

 

Illuminate ~the very best songs~

Illuminate ~the very best songs~

 

 

MINT (Suchmos)

  久々にしびれた曲。かっこいい。声もいい。Suchmos。

 

周波数を合わせて調子はどうだい?
兄弟、徘徊しないかい?

 

錆びた弦で良い
破けたジーンズで良い
孤独な夜があっていい

 

 


Suchmos "MINT" (Official Music Video)