雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

「空気」を読んでも従わない

 

 

鴻上 尚史著。これまで読んできた著作と内容は変わらないが、若い人向けの書き方になっている。昔、年輩の者の知恵が特に有用だった時代の名残なのだろうが、いまだに先輩後輩文化が色濃く残る日本社会というのは、なんとも不思議だと日本人でも思う。

 

著者は、欧米流の強い自己主張を支えるものとして、「キリスト教」と「自尊意識を育てる教育」を挙げている。前者は、弱い人間を支える絶対的なものが必要ということ、後者は、「貴方はかけがえのない存在、だからこそ貴方の意見を聞かせてほしい」という教育文化があるようだ。

 

逆に言えば、そうした背景のない日本社会において、世間はもう死んだ、自己主張せよ、結果については自己責任で、と個人に多くを求めたところで得られるところは少ないだろう。絶対的な一神教は存在せず、つまり個人が頼れる精神的なバックボーンも、教会のように共助をよびかける社会文化制度もなく、それでいて「世間」が壊れていく日本。村落共同体や強固な会社への帰属など、良くも悪くも、これまで個人を支えてきた「世間」を失い、これからの日本人はどのようにして生きていけばいいのだろうか。

ガリア戦記

 

ガリア戦記 (講談社学術文庫)

ガリア戦記 (講談社学術文庫)

 

 

カエサル著、國原 吉之助翻訳。「カエサル著」という5文字のパワー(もしくは違和感)がすごい。極東日本の一市民が、今から2070年前にローマ帝国の頂点に立っていた男が書いた文章を読む、という読書体験自体が奇跡的であり、大いなる歴史を体感できた。

 

正直なところ、内容はさほど面白いとは思えなかったが、あのカエサルの書いた書物が読めるというだけで興奮してしまう。すごいと感じたのはその文体で、簡潔で読みやすく、まるで第三者が書いたかのような客観性。ものすごく分かりやすい。これが2000年以上昔に書かれた文章なのか・・・。

 

 翻訳については、一点ささやかな違和感があった。訳者は「ぎょうさんの」という形容詞を多用しており、これは「ものすごく多くの」くらいの意味なのだろうが、関西人にとっては「ベタベタの関西弁」に読めてしまうのだ。カエサルが格調高い文章を書いている中に、突然コテコテの関西人が扇子片手に出てきて「いやー、ぎょうさん儲かったがな」みたいな感じでしゃべりだすイメージ。「ぎょうさん」が出てくるたびにずっこけてしまった。

 

それにしてもカエサルは、どうしてこんなにすごいのだろう。戦争には、武力や志気だけでなく、補給や支援体制が必要なことを2000年前に書いてくれていたのに、どうしていまだに日本では精神論が幅を利かせているのだろう。久しぶりに「ローマ人の物語」が読みたくなった。 

雨の日曜日

日曜日だが、天候は雨。そもそも子どもの風邪が完治せず、特に予定も立てられない。昼食にお好み焼きを作り、焼きそばを挟んでみたところ、子どもから「お好み焼きなのに焼きそばが入っていて変な感じ」と言われた。食べてみたら美味しかったそうだが、まさに食わず嫌い。

コミュニケイションのレッスン

 

コミュニケイションのレッスン

コミュニケイションのレッスン

  • 作者:鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2013/05/19
  • メディア: 単行本
 

 

 

鴻上 尚史著。聞くこと、話すこと、交渉することの目的、態度、方法をかみ砕いて説明する本だが、単なるHow to本ではない。むしろ、コミュニケイションがうまくいかない理由(背景)を教えてくれる本だ。著者の「「空気」と「世間」」を読んでからの方がより分かりやすくなると思う。

 

  • 人は分かり合えないからコミュニケイションをする(それが前提)。
  • コミュニケイションで大事なことは、感情と情報を一緒に伝えることだ。感情だけぶつけても理解しあえないし、情報だけ伝えても共感はできない。
  • まずは聞く。人に怒られるのが怖くても聞いてみる。人の話を聞くときは、まずは受け止める(否定しない)。
  • 世間への話し方と社会への話し方は違う。自分にしか分かっていない前提を省略説に説明することが必要。
  • 交渉するときは、感情をぶつけない。自分の思いを伝えきったうえで、分かり合えないときは交渉を打ち切ればよい。分かり合えないこともある、というのがコミュニケイションの前提なのだから。

中間管理録トネガワ(9)

 

中間管理録トネガワ(9) (ヤンマガKCスペシャル)

中間管理録トネガワ(9) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 

そうか、次巻が最終巻か。利根川、気が付けば愛すべきキャラになっているな。

波よ聞いてくれ(7)

 

波よ聞いてくれ(7) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(7) (アフタヌーンKC)

 

 

 

相変わらず濃い登場人物、キレッキレの鼓田ミナレの台詞(主人公が人でなしという設定が私は好きなのだ。)、そして突然の大地震。これからの展開がどうなるか楽しみなところで次巻に続くと。いや、素晴らしい。全てのページ、全ての台詞に沙村 広明のセンスがにじみ出ている。

ようやく雪が降った。今年は暖冬で、もう降らないかと思っていたが、やはり降ってみると子どもは喜ぶ。朝から車に積もった雪を集めて投げ合う。手が冷たい。

 

家族皆で近所の銭湯に行き、ゆったり過ごす。「サ道」で見たようにサウナと水風呂を繰り返してみたが、残念ながら「ととのう」感覚は得られなかった。次回はもっとサウナに入る時間を長くしてみよう。要研究。

 

夕方になると子どもが発熱。すわインフルエンザかと思ったが、熱は38度くらいで、頭痛がするとのこと。ふつうの風邪かな。翌日の月曜日は学校を休む。次の日が祝日なので、気は楽だ。