- 作者: M.スコット・ペック,氏原寛,矢野隆子
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1987/05
- メディア: 単行本
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M.スコット・ペック著、氏原寛、矢野隆子訳。原題は"The Road Less Travelled" M. Scott Peck。再読。
人は成長へ向けて努力する存在であるという仮説を前提にし、それ故に生じる困難さを乗り越えるために必要なものを著者は「愛」と呼ぶ。愛を、著者は大切にすべき人の精神的成長を促すために、自らを広げようとする行為だと定義しており、本書はその定義について様々な側面から解説している。
愛は、恋でもなく、可愛がりでもなく、依存でもなく*1、ナルシシズムでもない。他者の人格を認め、自律とバランスを要する、極めて困難な生き方である。生真面目に、そして真正面から生き方を論ずる直球本。決して楽しくはないし、読んでいて肩に力が入ってしまうが、率直なところ私は腹に落ちた。全てが著者の言う通りとも思わないが、方向性は共有できる。繰り返し読む価値があると思った。
著者の著述は大変くどいので、上手にまとめてくれた訳者に感謝したい。
*1:本書によると、残念ながら私が愛だと思っていたものは、どうやら依存症に分類されるようだ。