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雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

ストーナー

 

ストーナー

ストーナー

 

 

  ジョン・ウィリアムズ著、東江 一紀翻訳。地味で、暗くて、しかし素晴らしい小説だった。生きることの熱量、そしてその裏にある悲しさが詰まっていた。

 

 東江氏はこの作品が最後の翻訳。ドン・ウィンズロウの作品を多く翻訳しており、「犬の力」も「フランキーマシーンの冬」も彼の翻訳。壮大でありながら恐ろしく冷徹な文体で、ハードボイルドな世界に浸らせてもらえた。まだ若くしてお亡くなりになたのは、残念。

 

 翻訳家としての最後の作品として「ストーナー」を選んだのは、主人公の生き様に感じるところがあったからだろう。派手ではない人生だが、それでも強い気持ちを胸に秘めて毎日を生きる、しかし人生は思う様には進まない。挫折と共に歳を経るのが人生だ。生きることは、なかなか骨の折れることだ。

 

 訳者あとがきにあった、この言葉が胸に残った。

人は誰しも、思うにまかせぬ人生を懸命に生きている