久米宏さんが亡くなった。81歳だったそうだ。 もう随分昔のことになるが、夜のテレビのニュース番組といえば『ニュースステーション』だった。NHKのニュースは面白くなく、筑紫哲也の『NEWS23』はどこか退屈で、ニュースステーションを見るのが定番だった。
それ以前のニュース番組を私は知らないが、久米宏こそニュース番組のスタイルを変えた人だろう。ニュースを身近なものに変えたのは間違いなく彼の功績だ。ただ、どんな人にも功罪はある。例えば、ニュースステーションで久米宏の後を継いだのは古舘伊知郎だった。同じような番組のように見えたが、比べてしまうと面白くなく、すぐに見るのをやめてしまった。結局のところ、ニュースステーションの魅力は属人的で、久米宏のしゃべりの上手さや視点の鋭さに頼っていたのだろう。そもそも、キャスターが意見を言うことも良し悪しだ。報道がバラエティ化した結果、見るに堪えないような番組も多い。淡々とニュースや事件だけを報道してくれた方がましだと思う。ニュースステーションのスタイルというのは、結局のところ久米宏その人のスタイルだったのだと思う。
また、久米宏という人は基本的に政府に対して批判的なスタンスを貫いており、批判することを自らの使命だと考えていたのだろう。その時代にはそれで良かったのかもしれない。しかし一方で思うのは、政府や国を批判するテレビ番組を、誰が批判するのかということだ。テレビは、自らを律することができるのか。批判する側/される側という区分は、必ずしも所与のものではない。
まあ、それもこれも、久米宏というテレビマンの影響の大きさゆえに考えた話であり、ひとつの時代の区切りなのだろう。