西加奈子著。『夜が明ける』以来の二冊目。がんを患った著者の、自身の身体と心、自身と周囲の人たちの関係、そして日本とカナダの比較という視点でつづられたエッセイ。癌になったからこそ、見えてくる(見つめざるを得ない)自分と周囲の人々。著者の視点に色々考えさせられた。
自身のありのままを受け入れること(別の誰かから「こうなれ」と指示を受けないこと、「望ましい姿」を強いられないこと)、誰にどう思われるかという視点に立たないこと、自分と他者を対等に考えること(=他者にとっても自分が特別視されないと認識すること)、自分の意見を臆せず表明すること、人の助けを求め、有難く受け入れること。