雑記帳

関西在住の中年男性による日々の雑記です。

鎌倉殿の13人 第45話 八幡宮の階段

公暁による実朝暗殺事件は歴史上大きな事件であり、本物語においても重要な転換点になると思われたが、その大きな事件を更に大きな物語の一部に組み込んでしまうことが三谷脚本のすごさ。

 

並の脚本家なら、事件そのものを中心に置いて話を進め、その事件に物語上の主人公がどう関わったか(どう感じたか)を無理やりにでも絡ませて話を「作る」が、「鎌倉殿の13人」では、事件そのものをちゃんと描いた上で、それを更にもっと大きな物語(つまりは義時を中心とした群像劇)の部品として扱う。実朝暗殺前後から、数々の伏線を配置し、実朝暗殺を契機として本物語がクライマックスに向かっていくことを鮮やかに示した。こんなに血生臭く、政治の闇を前面に出しているにも関わらず、毎週観るのが楽しみでならないのは不思議なくらいだ。