- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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重松清著。自分自身、ちょうど本書で描かれている中年男性像に当てはまる年齢ということもあり、色々と身につまされる思いで読んだ。中年か…、夢の無い言葉だ。実際、本書でもそのように展開されており、家族問題を中心にして、綻びと再生の過程が描かれている。
様々な問題は、「気が付けばそこにある」ものらしい。逆に言えば、顕在化するまで気が付かないもののようだ。自分にとって大切なものを意識せずに、何気なく時が過ぎていけば、目の前にある問題にも気が付かない。壊れた何かを修復しようと思えば、不恰好でも良いから、原点に回帰して正面から立ち向かうしかない。そして、そのようにして再生できるのが、家族の持つ力なのかもしれない。